あらすじ
ある酒場の一角で、赤ら顔の四人の男達がある話題で盛り上がっていた。それは当代の勇者について。皆が思い描く勇者とは、自分よりも体躯が良い男で筋肉もりもりの男。ところが噂に聞く勇者とは、性格も良く「ずいぶんと腰が低い男でちっとも偉ぶる所がない」「心優しい人物」「人間ができている」らしい。その勇者に一度は出会ってみたいと願う男に、仲間の一人は、「なあに勇者さまなら聖剣を持っているだろう?」と、言うが、それだけでは分かりにくい。もっと見やすい目印はないのか?と、問えば、他の男が思い出したように言った。
「あ、戦うときはパペットを左手にはめていると聞いたな」
「パペット?」
なぜパペットをはめている? 何か勇者には事情ありらしい。男達は好き勝手に妄想を膨らませ語り合う。
その裏には、顔面偏差値が低いと言う理由でガセ聖女と、信じていた友人の裏切りから神殿を追われた可哀相な男の姿があった。