あらすじ
「※ネタバレ注意」
短編児童小説コンテスト向けの作品となりますので、あらすじに全話ネタバレがあります。
「キャラクター設定」
【主人公、春野モモ】
もうすぐ12歳の小学六年生の女の子。ぬいぐるみが大好きで、恋愛に興味はあるけどまだどんなものかをよく分かっていない純粋で優しい女の子。これまでは物を大切にする子だったが、気付かない間に優劣をつけるように(原因は王子人形の呪い)。分け隔てなく接するので密かに好かれたりしているが、気付いていない。
【オウジくん】
一番のお気に入りの王子様人形のオウジくん。クリスマス会のプレゼント交換でもらった。夢の世界ではモモと結婚して夢の世界に閉じ込めようとする。
(長編設定)中身は瓜生真と呪術人形が混ざったもので、瓜生真の「一緒にいたい」という気持ちが全面に現れ暴走した。
【オオカミの人形、ライガ】
幼稚園の頃、引っ越しする男の子に餞別でもらったパペット人形。モモの記憶が奪われていたせいで、一度は捨てられそうになった。夢の世界ではライガと名乗り、モモが好きとはっきり言う子。人形に追われたモモを助ける。
【反町来賀(そりまち・らいが)】
転校生の男の子。実はオオカミの人形のライガ。涼しげな顔の格好いい男の子で、モモを好きなことを隠さない。
(長編設定)引っ越しする前、癇癪持ちでぼっちになっていた来賀ともにこにこ遊んでくれたモモを好きになり、引っ越し先では赤ずきんの人形を見ては癇癪を抑える努力をした。モモを恩人だと思っており、誰にでも優しいモモに変な虫がついたらと真っ先に彼氏を名乗り出た。
【瓜生真(うりゅう・まこと)】(長編に登場)
モモのクラスメイトの男の子。引っ込み思案で周りの勢いに負けてしまった時、モモに「瓜生くんの意見も聞こうよ」と言ってもらって以来、モモのことを好きに。プレゼント交換で王子人形をモモに渡したのは、恋愛成就のおまじない的意味合いがあったからで、悪さをするつもりはなかった。自分が寝ている間、モモの寝顔を見られることがあって密かにドキドキしていた。夢の中にみんなが入ったのは、呪術人形の力。
「あらすじ」(短編1~8話)※ネタバレ注意
人形が大好きで捨てられずにいる主人公のモモ(11)。母親から人形を整理しなさいと言われてしまい、悩みながらも選別していた。そこで、いつ買ったか記憶のないオオカミのパペット人形を発見。
母親が言うには、幼稚園の頃に引っ越していった男の子がくれたものらしいが、モモに何故か記憶が一切なかった。
一旦はゴミ袋に捨てたが、その夜はオオカミの人形と一緒に寝るモモ。
眠りにつくとモモは夢の世界にいて、赤ずきんになっていた。
捨てようとしていたオオカミの人形は格好いい「ライガ」となっていた。もっと話そうと思ったが、他の人形たちがモモを城の中へと連れていき、ライガとは離れ離れに。
一番のお気に入りの人形だった王子様のオウジくんと踊ったり、おいしいお菓子を食べたりしていたモモ。疲れて帰ろうとすると、モモの部屋を用意した、と連れて行かれそうになる。
王子様と結婚して一生ここで暮らすと言われ、逃げ出すモモ。城の階段から落ちたところで、中に入れなかったライガが助けてくれた。
家に帰りたいというモモを助けてくれようと一緒に逃げるライガ。ライガはモモに大好きなことを告げると、モモを先に帰して自分は人形たちを引き止める為に残った。
翌日学校に行くと、転校生が教室に入ってきた。それはまさかのライガで、ライガはモモを見ると自己紹介の際「モモの彼氏です」と宣言をする。
「長編化した際のプロット」
◇消えてしまった王子人形の謎と、「彼氏」と自己紹介した時に聞こえた舌打ちの正体
モモは来賀と楽しい学校生活を送り始める。モモを好きな理由をクラスメイトに聞かれて、しっかり答える来賀。モモを支える溺愛っぷりに、からかう者も徐々にいなくなる。
来賀はモモに救われたとモモを慕ってくれているが、モモはまだ自分に自信が持てていない。自分も来賀のようにしゃんとしたいと思い始めるモモ。
ある日クラスの男子、瓜生真の具合が悪くなってしまい、保健委員のモモが保健室に連れて行くことに。
保健室に先生がいなくて困ったが、人に頼ってばかりでは駄目! と自分でできることをしようと「大丈夫か」真に話しかけるモモ。
真は最近ちゃんと寝られていないと説明。同情したモモが話を聞いていると、木に縛り付けられて動けない夢を毎晩見続けているとのことだった。
「辛い、助けて」と泣きつく真。モモに抱きついてきた真を引き剥がせなくて泣きそうになっていたところに、来賀が登場、モモを救い出す。
「俺の彼女に何をする!」と怒りをあらわにする来賀。日頃温厚で見ることのない荒々しい様子に、モモは「ちゃんとお互いの話を聞こう!」と叱る。「ごめん」と落ち着いた来賀と共に、改めて真の話を聞くことに。
夢の話を聞いた来賀は真に「お前がオウジくんだろう」と詰め寄る。
真は、オウジくんであったことを正直に白状する。オウジくんの中には、中南米に旅行に行った叔父からもらった呪術人形が入っていた。呪術人形は自分の髪の毛と一緒に相手に渡すと自分を好きになってもらえるというおまじない的なもの。
モモのことが好きだったがなかなか話しかける勇気がなかった真は、プレゼント交換でモモに人形の中に呪術人形を隠して渡していた。
人形を介して、寝ている間モモの寝顔を見ていた真。再び怒り心頭の来賀が「戻ってきたら髪の毛を抜き取って呪術を解呪する」と約束させたことで、三人は協力して夢の中へ再び行くことになった。あの日どうやって夢に入ったかを話し合い、何度かチャレンジした後、お互いを想い合いながら人形と寝ることで成功。(真の元に戻っていた王子人形を持ち帰るモモ。「俺のことを考えていて」とモモに頼む来賀)
来賀の案内の元、木の幹に縛り付けられたオウジくんをあっさり解放。真はオオカミ人形の姿の来賀を見て、「僕を縛った奴だ!」と騒ぐ。実際に実を縛った犯人は来賀で、その為嫌々ながらも「悪いな」と思い、今回の話に乗ってくれたのだった。(王子人形を縛りつけた状態で、他の人形たちを星空に先に帰していたことで操り状態を解いた)
これで帰ろうとしていたところ、王子人形が真の人格を乗っ取ろうとし始める(髪の毛を取られるとただの人形に戻ってしまう呪術人形が嫌がった為)。髪の毛を取られるともう動けないと怒る王子人形に囚われた真に「私も自信がない時沢山あるよ! でも私たちは友達だよ! 一緒に踏ん張って頑張っていこうよ! 私も手伝うから!」とモモが説得。来賀は「おまじないで好きになってもらって満足できるのか! 自分の力で努力しろ、そんな奴にモモは絶対譲らない!」と啖呵を切る。
引っ込み思案の自分でも呪術人形がいれば夢の中では格好よく動けた真と、人の髪の毛の力がないと動けない呪術人形の思いがシンクロしていたが、二人に喝を入れてもらい主導権を取り戻す。真と三人、星空へダイブして帰還。
翌日集まった三人は、真の元に戻っていた王子人形から呪術人形と髪の毛を抜き取る。
今までは自発的に動けなかった真だったが、「これからはもっとしっかりして、いつかモモちゃんにちゃんと告白するから!」と前向きに。真に対し、来賀は「モモは絶対に譲らないからな」とモモを背中に庇いつつ、対抗。
モモは前よりも自信がもてるようになり、これから来賀に相応しいもっと格好いい大人になりたいと願うのだった。