あらすじ

「……き、きみのこと、嫌いになったわけじゃないんだ」

 オーブリーが申し訳なさそうに切り出すと、待ってましたと言わんばかりに、マルヴィナが言葉を繋ぎはじめた。

「オーブリー様は、決してミラベル様を嫌っているわけではありません。それだけは、誤解なきよう」

 ミラベルが、当然のように頭に大量の疑問符を浮かべる。けれど、ミラベルが待ったをかける暇を与えず、オーブリーが勢いのまま、続ける。

「そう、そうなんだ。だから、きみとの婚約を解消する気はないし、結婚する意思は変わらない。ただ、その……」

「……婚約を解消? なにを言っているの?」

「いや、だから。婚約を解消する気はなくて……っ」

 オーブリーは一呼吸置いてから、意を決したように、マルヴィナの肩を抱き寄せた。

「子爵令嬢のマルヴィナ嬢を、あ、愛人としてぼくの傍に置くことを許してほしい」

 ミラベルが愕然としたように、目を見開く。なんの冗談。口にしたいのに、声が出なかった。


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アルファポリス
アルファポリス2024/09/03
  • 現在の作品あなたがわたしを本気で愛せない理由は知っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。