あらすじ
火星に都市を建設してから百年、人類は生活圏の拡大と共にある感情を失った。それは科学技術の進歩を考えれば、失われてもさして問題がない感情でもあった。人は火星でも食事をし、運動もでき、学び、働くことができる。それに子供も人工子宮を用いればリスクなく出生でき、人口減少で悩まされることもない。恋という感情がなくても人は生きることができるようになったのだ。だが、不要なはずのその感情について悩む少女がいた。彼女は星の外からくる電波を拾い、そこから流れる歌に耳を傾けていく。やがてその歌はアトランティスからの恋歌と呼ばれるようになった――。