あらすじ
(※2021年4月にカクヨムに初投稿した作品。2022年12月に手直し)
"faith is the most powerful force on earth."
「Faith は地球上で最も強い力である」
古来の道に生きた最後のインディアンが残した言葉である。
"Faith"とは、純粋である事、ピュアである事、汚れのない気持ちで信じる事‥‥‥
自分が本当にやりたい事は何?
小説だからこそ作れる自由な世界。実在の自転車レース『台湾KOMヒルクライムレース』を舞台に、私自身の経験を元にしたリアルな表現と、スピリチュアルな世界の融合を目指した。その中に私の夢や大切にしている事を描き込んだ。
2020年に私が初めて出版した小説「本気×本気」の主人公、唯《ゆい》の人生をもっと追いかけたくなって書き始めた「Faith」。「本気×本気」の続編といえば続編だが、前の作品と切り離した単体の読み物としても楽しめるように書き上げた。
車いす生活になっても、自転車に乗れなくなっても、唯らしく人生を謳歌している姿はかっこいい。その人生を変えたいと思ったわけではないし、あそこで終えるべき? とも考えた。
でも小説は自由だ。私はもう一度唯を走らせたくなった。自由に動く身体を手に入れて思い切り走る唯を見てみたくなった。
自分自身の夢と重ね合わせて、自由に作ってしまった「Faith」。唯にとっては、もしかしたらいい迷惑だったかもしれない。いやいや、そんな事は無いはずだ。だって彼は「最高の人生だった」と言っていたから。
【導入】
右の頬に獣の3本の爪跡のようなアザを持って生まれてきた風斗《かざと》。
風斗は雪豹の神に選ばれた子で、特殊な能力を授かる事が出来たのにその道を拒み、神との交信の記憶、人間らしい表情や言葉を失ったとしても自分の進みたい道を選ぶ。
風斗が叶えたかったのは、自分自身の事ではなかった。生まれた時から聞いていた大切な人達の夢を自分も一緒になって叶えたかった。
東京2020パラリンピックの車いすラグビーで大活躍した唯は元々は自転車ロード選手で、学生の最も大きな大会で劇的な優勝を遂げた直後に交通事故に逢い、車いす生活を強いられていた。
風斗の誕生をきっかけに、唯は押し殺していた自分の夢を追いかける決意をする。それはもう一度自転車に乗れるようになるという夢。
風斗は雪豹とアサギマダラが大好きな口数が少ない変わった少年だが、唯の持っている力やFaith の力を誰よりも信じる事が出来、唯にとってその影響力はとても大きい。
風斗の父親は、唯が自転車選手としての道を歩むきっかけとなった幼い頃からの憧れの選手だった史也《ふみや》。母親は、唯が学生の時に交通事故で運び込まれた病院で心を寄せていた看護師だった凛《りん》。
史也、凛、唯、風斗の四人で結成された"team Faith"はどこに向かうのか?