あらすじ
「《子守歌》と言えば確かに眠りの魔術だが、あんなの赤ん坊にしか効かん、文字通りの子守歌だろうが!! 魔術が苦手な俺にだって使える初歩も初歩の低位魔術だぞ!! なんでそんなもんで大の男がぶっ倒されるんだ!!」
アルヒ島で生まれ育った青年、ラクリスには兵士の才能がなかった。常人の倍の巨体を持ち、槍を投げれば地面が爆ぜ、素手で熊を絞め殺す怪力自慢のラクリスは兵士としては最弱クラスである。
理由は単純、魔術の耐性が皆無だからだ。
そこらの盗賊くずれでさえ魔術を使うこの時世ではラクリスが兵士として大成することはありえないが、かといって常人外れの巨体ゆえ他の仕事を選びようもない。
うだつの上がらない日雇いの兵士として食い扶持を稼ぐラクリスはある日、アミュレットを売る職人の少女マティナと出会い……