あらすじ
2050年、人々の記憶はデジタル霊廟に保存され、死後も存在し続けることが当たり前となった世界。
システム開発者でありカトリック神父でもある内藤玄哉は、ある日、特異な依頼を受ける。末期がんの女性・綾瀬千鶴子から、自身の記憶データの完全消去を望まれたのだ。
息子の蒼汰は母の願いを理解できない。なぜ記憶を残さないのか? そこには、人間存在の本質に関わる深い洞察が隠されていた。
記憶と存在、生と死、そして母と子。デジタル化された未来で、私たちは何を守り、何を手放すべきなのか。
魂の在処を探す旅が、いま始まる――。