あらすじ
ゼゾッラは走った。今しがた目の前で起こった殺人の犯人を、彼女だけが知っていた。
童話『シンデレラ』のもととなったバジーレの民話集『五日物語≪ペンタメローネ≫』一日目第六話『ラ・ガッタ・チェネレントラ≪灰かぶり猫≫』をサスペンス風に再構成。謝肉祭の夜に殺人を目にした主人公ゼゾッラの一週間をたどる。人殺し扱いされた知り合いの少年を匿ったゼゾッラは、真犯人を知っていた。だが何故か彼女はそのことについて、誰にも話そうとしない。ゼゾッラはなぜ犯人を守ったのか。「いつまでも幸せに暮らした」はずのシンデレラが、一つだけ手に入れられなかったものの話。