あらすじ
あの時、ああしていたら……。過去を変えたい。それができないなら、記憶を消したい……。思い出すたびに、声を上げたくなる……。
そういった思いは誰しもが抱えているだろう。時折嘆きはするが、折り合いをつけて生きていくものだ。
だが、その男はよく立ち止まっていた。彼にとって、過去を思い出すことは地雷原を歩くようなものだ。ふとした時に踏み、そして悶え苦しむのだ。
ゆえに、その噂を耳にした瞬間、彼はすぐに飛びついた。
一笑に付すようなその都市伝説の内容とは、ある数字を先頭に、次に年月日と時刻、そして当時の自分の電話番号を入力すると、そのとおりに過去の自分と電話がつながるというものだった。
そして、それが本当だと知った彼は、驚きのあまり、手からスマートフォンを落としそうになった。