あらすじ

執着系義弟×悪役不憫義兄。 病病弱な兄フィルと学園の人気者エドワードは、お互いを溺愛している仲睦まじい兄弟。 というのは周囲の勝手な誤解であって、フィルの本音は違った。 どうして過剰なまでに義弟エドワードに対して過保護かといえば。英雄はピンチになると秘められた力が覚醒して、復讐に燃えるものだからである。そしてその復讐心は、幼い頃、愛人の子供だからと虐めてきた義兄であるフィルに向けられるのだ。 つまり最終的に殺される。 殺されてそこで終わればよかったのに、フィルはもう数えきれないほど義弟に殺されて、七歳の誕生日の朝に目を覚ます、ということを繰り返していた。 エドワードを排除しようと、死に戻りを繰り返すフィルは先手を打って策を講じようとも無理だった。何をしてもエドワードは死なないし、排除できない。必ずと言っていいほど復讐に燃え、フィルを殺しにくるのである。すごく怖い。 何十、いや三桁くらいいったかもしれない七歳の誕生日の朝、フィルは決意した。 エドワードを排除するのではなく、復讐に燃えることがないよう、平穏な生活を送らせるしかないと。英雄を英雄とたらしめんのは、悪役がいるからだと。 まずは七歳の誕生日に起きる、エドワードの魔力暴走を食い止めなければならない。死に戻り続けるフィルは、繰り返される人生の中で培った知識を武器に、惨劇を食い止めようと暗躍した。 エドワードは魔力暴走を引き起こしたが、母プリシラは犠牲になることなく無事だった。その代わりフィルが傷付き、長い眠りについたのだが。これはまさにフィルの狙い通り。 父はフィルを嫌っているし、今回の騒ぎできっと廃嫡にするに違いない。そうなれば義弟とも縁が切れるはず。なんて思っていたのに、目が覚めたら十年も経っていた上に、やたらとエドワードに懐かれていて。いや少し、かなり、距離が近い。怖いからやめてほしい。本当に怖いんだ。殺しにくる相手と同衾なんて本当に勘弁してほしい。そんな思いを抱えたフィルは、なんとか義弟と縁を切るため、策を巡らすけれども。 一方のエドワードは、義兄を慕っていた。子供の頃から自分の為だけに必死になっている義兄が愛おしくて堪らない。このままずっと義兄と一緒にいたいので、邪魔をする連中はすべて黙らせる所存である。十年ぶりに目覚めた義兄と幸せな生活をおくりながら、死に戻り続けた今までの人生を思い浮かべて目を細めた。 死ぐらいで僕と兄さんを引き離せるとでもと笑いながら。

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カクヨム
カクヨム2024/10/20
  • 現在の作品死が二人をわかつとも〜悪役子息は義弟から逃げ出したい〜