あらすじ
「おまえの嫁入り先が決まった」
虐げられて育った公爵令嬢エステルに告げられたのは、竜殺し、血みどろ伯爵と呼ばれる辺境伯との結婚。
エステルはしおらしく父と継母の言うことに従いました――が、実は内心、大喜び。
「これで長年の夢がかなうわ!」
エステルの小さい頃からの夢は「記憶の花」という魔草を探すこと。
エステルは「記憶の花」を探すために、実は魔力が高く、魔法を使えることを周囲にひた隠しにしてきた。
同時に、母からの唯一の遺品である魔導書を使って、ひたすら魔法の訓練にとりくんできた。
これもすべて、「記憶の花」を探す自由を得たとき――つまり、結婚で家を出されるときのため。
そのときが、ついにやってきたのだ。
しかも、嫁入り先・クラウド・フォン・トレンメル辺境伯の所領は、魔力を湛えた土地にしか咲かない「記憶の花」を探すのに、うってつけの土地。
竜の棲む土地というのは膨大な魔力を有しているといわれ、クラウド辺境伯が退治した竜の棲み処付近にも魔石の大鉱泉があると噂されているほどだ。
エステルの父・リヴィエール公爵は密かにその魔石の大鉱泉を狙っていることを知ったエステルは、噂は本当だったのだと喜び、「記憶の花」探索に思いを馳せる。
腹に一物も二物もあるエステルだったが、御相手のクラウドも何か隠していることがある様子。
それぞれの思惑で行動する二人は衝突を繰り返すが、やがてお互いに知らない面を知るようになって……?
これは、ピュアな願いをひた隠して生きてきた二人が、心を温め合う物語。