あらすじ
・龍を宿す皇子×蜻蛉憑きの女官
・陰謀渦まく? 中華風ロマンスファンタジー
後宮にて、虫を使った儀礼を担当する司虫(しちゅう)という役どころがあった。
司虫女官、美玉(メイユー)は強力な蜻蛉(とんぼ)憑きの力をもつ女官である。
ここ春蕾(しゅんらい)国の後宮に、蜻蛉憑きの儀礼は必須であった。
春蕾の皇族は代々、身の内に龍を宿している。
龍を抑えきれずに心の病に苦しむ皇帝をはじめ、その皇子皇女のため、蜻蛉(とんぼ)の術による施術が必要なのだ。
現皇帝の宿す水龍は恐れの心を司り、皇帝は気鬱に病む。
次期皇帝候補は木龍を宿す「二人の皇子」であるが、そのうちの一人、宇航(ユーハン)皇子は怒りの発作に日々さいなまれていた。
蜻蛉の術は、蜻蛉憑きと呼ばれる幼いうちにかかる病を持つものにしか使えない。
後宮には蜻蛉憑きの奴婢(どれい)の子供たちが集められたが、蜻蛉憑きは治さずにいると蜻蛉に魂を食われて死んでしまう。
美玉は、蜻蛉憑きを治さぬまま成人した稀な例だ。
その力を恐れ恥じた父に家に隠されていたが、子供の奴隷の命が使い捨てられる状況を知り、司虫女官となったのだ。
宇航皇子の激しい発作を抑え、日々の務めを果たしていた美玉だったが、そんな彼女の元に明明(メイメイ)という女官が配されてくる。
明明が言うには、古来からの伝承で龍を持つ皇子には「運命の番」と呼ばれる蜻蛉憑きの乙女が付き添うそうだが……?
宇航皇子に惹かれていく美玉。
自分の想いに悩む彼女は、知らぬうちに後宮内の歪な陰謀に巻き込まれていく。