あらすじ
子どもの頃、壁や机に、あるいは好きな鞄に好きなシールを貼った事はあるだろうか。
その頃貼った憧れに、もう一度出会うにはどうしたらいいのだろうか。
無理だろう、だって何処に素顔があるのか忘れてしまった自分だもの。
今や生物の義務さえ捨ててしまった自分に、どうして過去を懐かしむ資格があるのだと思ってしまうのだろう。
だけど見てしまったんだ、私は。人生を終える最後の最後に、少しだけ剥がれかけたシールを見つけてしまったんだ。未来を夢見る事は出来ない私が死ぬ前に、過去を思い出して何が悪い。
さあ、シールを剥がしていこう。剥がしていけば見つかる筈だ。無垢で哀れで愚かで何も未来に心配のない下らない下らない下らない大馬鹿で、
それでも未来に夢を見るため大口開けていた間抜けで情けない、憧れだったあの頃の自分を少しだけ覗ける筈なんだ。