あらすじ

ある日突然、交通事故で両親を亡くした美大生の山田樹(やまだいつき)。葬儀を終え、再び日常生活を送り始めるが、うつ状態になっていた樹は、葬儀後始めての登校時、自らの不注意で線路に落下する。
頭を強く打ち付けて視界が暗転し、再び目覚めると、知らない部屋の布団の中にいた。混乱していると、メイドの花が樹の様子を見に来た。樹は花に自分の状態と状況を尋ねる。花は不思議に思いながらも、樹は『早乙女樹(さおとめいつき)』という名で、絵かきの才能を買われ、公家華族・花ヶ前(はながさき)伯爵家に書生として住み込み、雑用をしながら学校に通っていたと言った。そして早乙女樹はスペイン風邪に罹患し、何日も生死の境を彷徨い続け、危篤状態だったという。そんな樹が、今朝になって突然回復したらしい。
花のお陰で状況を確認できた樹だが、死んだはずの自分が別人となって生還したことに混乱する。その時、使用人静止を振り切って、ひとりの青年が部屋に押しかけてきた。
青年は軍服を着ており、非常に目鼻立ちの整った顔をしていた。青年は黒に近い焦げ茶の髪を汗で濡らし、焦げ茶色の瞳には、心配の色が浮かんでいた。
「樹。大事ないか!?」
青年は樹の側に寄り、生きているのを確かめるように、樹の身体の輪郭を触診した。
「梗一郎さま……?」
樹の口が青年の名前を呼んだ瞬間、樹の脳内に、早乙女樹の記憶が流れ込んできた。その情報量の多さに耐えきれず、樹は再び気を失ってしまう。

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アルファポリス
アルファポリス2024/08/01
  • 現在の作品異世界転生したノンケの書生は、華族の貴公子に不埒な関係を望まれているが回避したい。