あらすじ

江戸時代、宝暦元年。 天才人形師の泉屋荘左衛門である弟子の夾竹。その夾竹の妹の咲は家族と共に平穏に暮らしていた。しかしある日、夾竹は家に火をつけて咲の家族を殺して消え去る。 十年後、田沼花崗という武士は江戸の水茶屋で茶汲み女にちょっかいを出していた。田沼花崗は田沼意次の養子であった。 意次は花崗を訪ねると告げる。「荘左衛門が殺された」と。 この時代、特権階級の人にはある物が流行っていた。 『反魂人形』。反魂術(反魂:死者の魂を呼びもどすこと。死者をよみがえらせること)を使い、百姓町人の魂を人形に宿らせることでまるで本物の人間として利用する。 花崗は恩人である荘左衛門が殺されたと知り、一目散に一人で現場に向かう。荘左衛門は反魂人形を作り出した製作者であった。 花崗は秘密裏に反魂人形の事件などを管理する武士の一人。さらに花崗の正体は男装した咲である。 咲は兄の夾竹に、右腕を切断され、体を傷つけられた。荘左衛門は咲に義手を作り、命を助けた。その後も、荘左衛門は咲の傷ついた心を癒やし、支えた。 だが、咲を援助したと御公儀に知られ、荘左衛門は処罰されそうになっていた。その事実を告げに来た田沼意次に、咲は利用されようと考えた。 咲は名を捨て、意次の養子の花崗として生きる決意をした。 花崗はその後、荘左衛門の作業現場がある屋敷に向かうと、ある一体の美男の反魂人形、白夜久と出会う。白夜久は花崗に「私は貴方の味方です」と主張する。花崗が荘左衛門の作業現場の地下に行くと、そこには百体近くの反魂人形があった。 すると人に攻撃しないと言われている反魂人形が、一斉に動き出し花崗を攻撃しだした。花崗は刀を振るうが全く間に合わない。その時、白夜久は刀を使い、見事な捌きで反魂人形を次々と斬り倒していった。 白夜久は花崗に「私は貴方を守ります」と宣言し、手を差し伸べたのだった。 第17回小説現代長編新人賞 1次選考通過作(139/1068)

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小説を読もう2024/07/27
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