あらすじ

西暦二〇九八年の春、個人投資家の佐々木ジローは、友人である世界最大のアンドロイド製造企業の代表リーヴィズ氏に誘われ、ある会議に出席するためにロンドンにいた。会議の主題は、人間たちが起こしている反アンドロイド運動への対策の検討、及び未来の方向性の確認(人間をどうするか)の2点。会議には、機人と呼ばれる、人間だった頃の記憶データを引き継いだアンドロイドたちだけが参加しており、元米国大統領のフォールズ、仮想現実運営企業TBL社の最高物語責任者ポラストなど、著名な人物が揃う中、ジローは、なぜ自分が呼ばれたのかを不思議に思っていた。なお、会議の冒頭では、世界背景として、世界的な人口減少や、減った人口を埋めるための労働力・軍事力としてアンドロイドが用いられていること、破壊しても殺人罪などの重い罪には問われない機人を、人間が破壊する行為が、銃の手に入る米国などで特に生じており、反アンドロイド運動として社会問題になっていることなどが語られる。 会議の結果、反アンドロイド運動への対策は、都度鎮圧し、アンドロイド側で自警団を作って積極的に取り締まるなどはしないことが決まり、一方、人間の未来については、反アンドロイド運動が人間全体に広がるようであれば、積極的に人間を仮想現実の中に隔離するが、その前に、人間が文明社会に残り続けるための新しい仕事を関係機関が考えることも約束された。 会議終了後、ジローは、リーヴィズに呼ばれ、彼ら2人とフォールズ、ポラストの計4名だけが参加するミーティングを行う。そこで『機族』と呼ばれる、機人や裕福な人間が子飼いにしている自由なアンドロイドたちが『脱人間』という思想に辿り着き、人間の持つ姿形だけでなく、文化などにも疑問を呈する姿勢を見せているという情報が入ったことをフォールズから打ち明けられ、動揺する。そして、なぜかジローは、ポラストと共にその調査担当者として、機族たちのパーティーに潜入するように命じられる。フォールズが語るには、脱人間の思想は、人間だけでなく、ティータイムなどの人間文化そのものを人間から引き継いでいる機人にも影響を及ぼす一大事であり、天文学や物理学などの科学的な発見によりキリスト教が衰退したように、人間中心主義が相対化されることで、人間や機人が中心となっている社会が否定されかねないので、それを阻止するためだというが…

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小説を読もう2024/07/26
  • 現在の作品もうすぐ要らなくなる人間について ~或いは、君たちをどう生かすか~