あらすじ
製薬会社を中途退職して探偵業を始めた空木健介は、三ツ峠山に山小屋泊りの登山に行く。そこで、偶然にも製薬会社に勤務する森重裕之と知り合うが、その森重は翌朝頂上から転落してしまう。空木は、救助ヘリで病院へ搬送される森重に付き添う。そして、駆け付けた家族に森重の前日の様子を伝え、自ら転落した可能性を話す。空木の話を聞いた家族、中でも父の勇作は息子への悔恨の思いから、息子の職場の調査をすることを決心し、探偵でもある空木に調査の協力を依頼する。二人はまず同期の大森と菊田からの聞き取りから始めるが、空木は三ツ峠山のもう一軒の山小屋に宿泊者がいなかったか確認しておくことも必要だと思い始める。結果、山小屋には一人の男が宿泊していたが、偽名だと判明する。使われた名前は実在する病院の医師だった。 一方、森重の職場、合併したホープ製薬の職場調査では、上司である下松部長との軋轢、ポストを争う国崎との関係が浮かび、それらが旧会社の太陽薬品の出身者の想いを背負う覚悟でいる森重の心に病を生むことになった要因ではないかとの結論に達する。森重の父への報告を終えた空木は、再度偽名の宿泊者の調査を始め、名前を使われた医師の周辺を調べ始める。すると初めに浮かんだのは同期の菊田だったが、菊田は独自に心当たりを調べようとしていた。菊田の心当たりは森重と競い合う国崎だった。空木と菊田が国崎に疑念を抱いた頃、森重の父勇作に国崎から、扇山の山頂で会いたいという電話が入る。約束の日時に空木と勇作の二人は、山頂で待つが国崎は現れなかった。二人は、麓の梨の木平の小屋の中で首を吊った姿で死んでいる国崎を発見する。所轄の大月中央署は自殺に見せかけた殺人と断定し捜査が始まる。そんな折、意識が戻らなかった森重裕之の意識が一か月ぶりに戻り、三ツ峠山の山頂では誰にもあっておらず、自ら落ちたことが明らかになる。一方、大月中央署の捜査では森重勇作の名で国崎に宛てた手紙が見つかる。しかしその手紙は勇作が出した物ではなく、誰が国崎を呼び出したのか、そして誰が勇作に電話を掛けて犯人に仕立てようとしたのか捜査が続いていく。その捜査の中、森重の同期の大森は菊田と会い、旧会社への裏切りと森重の父の電話番号を下松が盗み知った可能性を告げ、二人は空木に相談する。またその場で、菊田から新たな仕事の依頼を受けることになった。その依頼は、旧ホープ製薬の幹部たちの不正を調べて欲しいという依頼だった。
不正を調べ始めた空木は、大森の情報から料理屋「たかべ」を中心に調査を始めた。そこには、旧ホープ製薬の役員の神田常務が現れる。そして、幹部たちの密会に遭遇する。そして空木は、彼らが株で繋がっていると感じ始める。