あらすじ
「悠也くん。私に料理を。……家事を教えてくれませんか?」
ある日、バイトから帰ってきたら。――なぜか家が差し押さえられていた。
齢十六。高校二年生になったばかりの広瀬 悠也に突き付けられた現実は、あまりにも残酷なものだった。
両親に夜逃げされ。頼る人も、帰る家も。なにもかも喪ってしまった。
辛うじて引き出してきたばかりのバイトの給金が多少はあるものの、すぐに尽きるのは目に見えていて――、
こうして、悠也の人生は詰んでしまった。
……かのように思われていた。
アテもなく歩いていた悠也の目に止まったのは、ひとつのボロアパート。
入居者募集の貼り紙を見てみると、なんと敷金礼金ゼロ円。家賃も一万円という超絶破格な格安アパートだった。
怪しさや違和感を感じつつも、明日のおまんまにすら心配の残る彼は、格安で雨風を凌げるだけでありがたい。そんな思いで入居を決めた。
大家さんから隣に既に住人がいるから挨拶をしておくようにと言われ、緊張しつつもインターホンを鳴らすと。
中から出てきたのは、クラスメイトの神宮寺 雲雀だった。
令嬢である彼女は、曰く社会勉強をするためにこうして一人暮らしをすることになったのだ、と。
そして悠也は、家事が苦手らしい雲雀にいろいろと教えてあげることになって――、
壁ひとつ挟んでいる(はずの)ふたりの半同棲生活が。ここ、ボロアパートで始まる!
「なんかおかしいことがある気がするんだけど、雲雀さん、なにか気づかない?」
「ふぇっ!? き、きっと気のせいですよ!?」
新築ボロアパート(格安/冷暖房完備/家具備え付け/Wi-Fi環境あり)