あらすじ
俺は、この世に鬱屈とした感情を抱き締めていた。
月が綺麗だったから、俺は君に言ったんだ。病弱で、身体が弱いそんな君に。
「月が綺麗だね」なんて。
そしたら、どうしてか君は照れて笑ったんだ。
そこから世界が、見違えるように変わったんだ。
トレーシングペーパーのように、俺の瞳は磨けば輝くようになったし、汚れたスニーカーを洗えば心まで綺麗になったように錯覚するんだ。
俺の家は食堂なんだが、行政から都市開発のために立ち退きを命じられた。
それを命じた知事の娘が、君だった。
この物語は、人間は些細な行き違いと苦しみを抱いて他人と関わろうとする、アイロニー(風刺的)物語。