あらすじ
「数奇な人生だよなぁ。我ながら」
300年ほどの半生を振り返ってルカはそう思った。
初めて異世界に飛ばされたのは16歳のとき。
飛ばされた先は魔法文明の栄えた世界で、魔法どころか、魔力の感知すらできないルカは、その世界の住人から猿以下の存在と見なされた。
なんやかんやあって魔法を使えるようにはなれたが、そのときには100年ほどが過ぎていた。
転移したとき神様っぽい人から「不老」のスキルをもらえたおかげで、歳を取らずに済んだのはせめてもの救い。
そして「これでようやく人並みの暮らしができる」と安堵した矢先、二度目の異世界転移。
あとで聞いた話じゃ、別世界への侵攻を企てていた魔族の魔法実験に巻きこまれたらしい。
ここでもなんやかんやあって魔族の王女のペットに収まり今に至る。
我ながら支離滅裂な生き方だが、こんな人生も悪くないんじゃないか、とそう思っていた。
──この日が来るまでは。
【解説】こんなタイトルですが、メインとなる舞台は現代日本の常識・文化に即した世界で、いわゆる「異世界」はオマケ程度です。また医療や心理学をテーマにした話でもありません。主人公は特殊な能力を持っていますが、劇中最強というわけではなく、わりと肉体的にも精神的にもボコボコにされます。「後味最悪」な話にするつもりはありませんが、スカッとする展開や成り上がりストーリーを希望される方々のご期待には添えないかも知れません。