あらすじ
2105年。その日、世界中に衝撃が走った。
15年後、銀河の中心から地球に向かって、隕石群が飛来する。しかも、その数は1000を超えると。
この揺るぎない事実を突きつけられた人類の対応は速かった。すぐさま地球政府が結成され、打開策が検討された。3日間にわたる協議の末、地球政府が下した決断は、【ワームホールを製作し、星ごと移動する】という物だった。
計画の全容はこうだ。
8年前に、完成したばかりのワームホールを地球ごと覆えるサイズまで巨大化し、【くじら座タウ星】のそばに超遠距離移動。
隕石群が太陽系を通り抜けるまでの半年間は、そこに滞在し、隕石群が通り抜けた後、再度ワームホールを使って、地球圏に帰ってくる。
馬鹿げた希望だった。だが、人類に選択肢は無かった。第四次世界大戦間近と言われていた人類は、手を取り合い巨大ワームホールの制作に取り掛かった。
この15年間は、ある意味平和な毎日だった。
【壱弦ラグド《いちげんらぐど》】は、その束の間の平和を生きてきた。
少し刺激が欲しい。友人にはそう言ったが、本当の動機は【人々の記憶に残るものを作る仕事がしたい】だった。ハイスクールを出たラグドは、ワームホールを宇宙空間に設置する仕事に志願した。
「ラグド。このパーツを取り付ければ、ワームホールが完成だ」
「シモン。いよいよだね」
人類は予定通り、超巨大なワームホールを作り上げ、無事に【くじら座タウ星】のそばに転移することに成功した。
見慣れない空には、双星の惑星が輝いていた。
「無事ワームホールを抜けたようです! 成功です!」
「「おーーーー!!」」
地球政府の司令室は歓声に包まれた。あとは隕石群が通り抜けるまでの半年間、この場所で過ごせば良いだけ。計画は順調に思えた……。
が、不測の事態が起こる。転移したばかりの地球が双星からの攻撃にさらされたのだ。
広がる戦火。双星の惑星が輝く地で、ラグドは命をかけた戦いに巻き込まれていく。
「戦え! ラグド! 私と自分の為に!」