あらすじ
東京都北区の大学に通う橙野桜(とおのさくら)は、しつこく言い寄ってくる同学年の男に辟易とした日々を過ごしていた。周囲の噂では、とても正しく誠実な男だということだが──
桜にはそうは思えない理由があった。
そんな中、大学で仲良くなった友人が突如として倒れ、廃人のようになってしまう。細菌でもウイルスでもなく、かといって毒物でもない。そのうえ短期間で同じ症状を発症した人物が他に三人いたことも判明する。
『あはぁ──』お見舞いで訪れた病院で出くわした、身の毛もよだつ笑い声を上げるナニか。
覚えのない凄惨でグロテスクな記憶。
そうして桜は、赤黒く渦を巻く悪意の奔流に巻き込まれていく。