あらすじ
「……私は【死神】。あなたの命を奪いに来た」
突然現れた【死神】を名乗る女。漆黒の装束に片手には大鎌。鈍く光る大鎌がリクの恐怖心を掻き立てる――わけでもなく、リクはケロッとしていた。それどころかをじっと死神を見ている。
なんでそんなにケロッとしている? 私は【死神】だ。怖くないのか、と死神は問う。すると、リクは答える。
「怖いさ。でも、それ以上にお前が心配なんだよ。……なんで、そんなに苦しそうな顔をしているんだ?」
初めてだった。何百、何千と命を奪ってきた死神にとって、このような優しさを向けられたのが。そして、この表情を見破られたことも、初めてだった。
「私は……【死神】だけど、命は大切にしたいし、できれば命を奪うなんてことしたくない」
今まで秘めてきたこの気持ちを初めて誰かに打ち明けた。
リクに言っても仕方ないことなんて死神自身が一番良くわかっている。でも、リクは真剣に聞いてくれて……死神は少し気持ちが楽になった。
リクは命を狙っていた相手にすら、優しく接してくれる。そんなリクに死神の心は少しずつ溶かされていく。
――彼とならいつまでも一緒にいたいな。