あらすじ
大陸にほど近い島国、波照(ナズレ)で養護教諭をするシメイは、ある生徒の行方不明をきっかけに、隣市でありながら足を踏み入れたことのないスラム街、臥竜城(がりゅうじょう)区へと向かった。
川を越えた先、そびえる山の中腹に築かれた臥竜城区では、さっそく危機に陥るはめになったが、不思議な男に助け出される。
だが、その男もまた治安の悪いスラム街の住人であり、シメイは再びの危機に陥った。
危険な目に遭いながらも生徒を探しつづけるシメイに、タイガーと呼ばれるその男は渋々付き合い、シメイは想像していなかった臥竜城の人々の生活を垣間見る。
己の偏見を思い知りながら、生徒がいないと知ったシメイは臥竜城を後にする。
「第1回ルビーファンタジーBL小説大賞」応募作品
※ここから先は本編のネタバレを含みます
ーーー以下は大賞応募のためのあらすじ記載ーーー
臥竜城からの帰路、隣接するヤクザの建物から出てくる生徒を発見したシメイは、ヤクザの車に乗り込んだ生徒を追うことに。
走って車を追うことになるシメイを助けたのは、不思議な力を使う、臥竜城のタイガーだった。
無事に生徒を取り戻したシメイは、後日改めてタイガーの元を訪れる。
生徒を助けたことでヤクザに殴られたというタイガーは機嫌が悪い。
持ち込んだ食料を切っ掛けに和解できそうなところで、再び、出会った時と同じ性的強要に及ぼうとするタイガーに、シメイは合意での行為を提案した。
力関係を争うことなく触れ合った二人は、互いのことについてゆっくりと明かし合うことになった。
シメイは、この凶暴だが不思議な魅力のある男に惹かれていることを自覚する。
幼い頃に聞いたおとぎ話だと思っていた龍使いが実在し、まさにタイガーがその龍使いであると知ったシメイ。
だが同時に彼の苦しい境遇に触れたシメイは、彼のためにできることはないかと考えるようになった。
再びタイガーの元を訪れたシメイは、自分の住む街の図書館へとタイガーを誘う。
二人で図書館を訪れ、静かで美しい時間を楽しむシメイ。
帰り際に足を止めたタイガーがシメイに望んだのは、もう一度身体を交えることだった。
甘い夜を過ごした夜が明け、別れを惜しみながらタイガーを駅へ送ろうとするシメイ。
その道で不意に持ち出した話題によって、タイガーの口から更に困難な状況が打ち明けられることになる。
やはり自分とシメイは違う世界の住人だと結論づけ、「もう来ないでくれ」と告げて、タイガーは出て行ってしまった。
逡巡の末、シメイはタイガーの苦境の大きな原因であるヤクザと交渉しようと出向く。
少なくとも話し合いのテーブルにつかせたかと思う矢先、ヤクザは交渉に興味を示さず、シメイを消そうとする。
ヤクザに呼び出されてシメイを殺しに現れたタイガーは、ヤクザを裏切ることを告げる。
殺し合いになり共倒れになったタイガーを救おうとするシメイの元へ、治癒の龍が現れ、力を貸し与えた。