あらすじ
とある王朝の末期、大都市広州に程近い泰原の街で俄に二つの怪事件が起こった。片や街の寺の和尚の刺殺体が井戸の奥深くから発見され、片やその日の夕刻に亡くなった花嫁の死体が安置所から忽然と姿を消した。
この奇妙な二つの事件に挑むのは、若くして総督の座についた「公主」李紫雲。彼女の調査と推理によって、事件は思わぬ真実を見せることになる…。
《登場人物》
・李紫雲…字は英素。先代皇帝の公主で両広総督を務める。かつて姫君でありながら将軍を務め、英雄として名を馳せた。数えで二十四歳。
・許由…字は元直。紫雲の駙馬(公主の婿)。彼女の昔馴染みであり良き補佐役。数えで二十八歳。
・莫夫妻…泰原の街で豆腐屋を営む夫婦。殺人事件の犯人と疑われている。
・花和尚…泰原の街の和尚で、井戸から遺体で発見された。
・姚繁昌…泰原の大金持ちの一人。
・姚思孝…繁昌の跡取り息子。同地の生員だが、金に任せて遊び呆けている。張玉珠の婚約者だった。
・張百万…泰原の大金持ちの一人。宝珠、玉珠姉妹の父親。
・張宝珠…百万の娘で玉珠の姉。
・張玉珠…百万の娘で宝珠の妹。事件前日の夕方に病死したらしいが…?
・曹文璜…泰原の生員。かつて張家・姚家と並ぶ大金持ちだった曹家の跡取りだが、突如失踪した。