あらすじ
元短距離走者の上條 充留(かみじょう みつる)は、突如失踪した婚約者・町村 密(まちむら ひそか)の足どりを追って、彼女の故郷、〆谷(しめたに)へ向かう。
〆谷は某県の紀伊山地を深く分け入った先にある山村。少子高齢化の著しい絶望的な限界集落にすぎない。
折しも〆谷では夏祭りを二日後に控えており、住民たちはその準備に追われているようだった。
ところが上條は密を捜すも、〆谷の住民たちの陰謀にはめられてしまう。囚われ、村に隔離されたのだ。
この村は異常だ。誰も彼もが狂気に我を忘れていた。
連中は、夏祭りの際、18年ぶりに秘儀『異人担ぎ』とやらを行うため、上條をご神体として祭りあげるのだと息巻く。
このまま、おめおめと神輿にされてたまるか。必ずや奴らの暴走をとめ、そして密を取り戻してみせると、上條は誓うのだった――。
※これは遥彼方さま主催『夏祭りと君』企画、参加作品です。
※参考文献
『聴耳草紙』佐々木 喜善 筑摩叢書
『異人論序説』赤坂 憲雄 ちくま学芸文庫
『異人論 民俗社会の心性』小松 和彦 ちくま学芸文庫
『藪原検校』井上 ひさし 新潮文庫
『魔の系譜』谷川 健一 講談社学術文庫
『民俗宗教 タタリと民俗社会』監修・櫻井 徳太郎 東京堂出版