あらすじ

「もう、邪魔! 本当にお前は目障りね! どっかに引っ込んで、姿を見せないでちょうだい!」 政略結婚の前妻は病の為に亡くなった。 その夫には結婚前から懇意にする恋人がいた。 夫の恋人は後妻に収まり、アラキュリ侯爵夫人となった。 夫の名前はアルオ、後妻の名前はニクス、二人の子はナジェール(男)である。 そして前妻はイッミリー、その子供はリオルナリー(女)である。 れっきとしたアルオとの子だが、リオルナリーはアルオに殆ど構われた記憶がなく、顔さえもうろ覚えである。 アルオも同じで、覚えているのは娘の髪が黄色かったと言うことだけ。 イッミリーが死ぬまで、自宅にろくに戻って来なかったので、娘の顔も瞳の色も忘れていた。覚えていないと言った方が正しいかもしれない。 取りあえず教育だけはしようと思い、家庭教師が来たらスカートを履いた黄色い頭の子供を連れて行った。黄色の髪は目立つから見つけやすい。裏手にある洗濯場の周囲で遊んでいるから、声もかけやすかった。 そこならニクスの目も届かず、彼女(ニクス)の機嫌が悪くなることもないから安心だ。 「わたしはリオよ。リオルナリーじゃないわ」 「ああ。名前なんてどうでも良いから、さっさと来い!」 抵抗する少女の腕を乱暴に掴んで、応接室に彼女を運ぶアルオ。その時彼は思った。 イッミリーがきちんとフルネームで呼んでおらず、愛称のリオを自分の名前だと思っているのだけで、成長すれば、自然と名前くらいわかるようになるだろうと。 応接室に来た彼女を見て、雇われたばかりの家庭教師はそばかすにおちょぼ口がリオルナリーだと覚えたし、使用人達も彼女がリオルナリーだと思い込んだ。 ただ使用人は、イッミリーが死んでから全員入れ換えていた。 ニクスはイッミリーが病に伏している時から、図々しくも時々侯爵邸に出入りしており、その時に伏し目がちに歩くリオルナリーを見かけて、イライラしていたのだ。 (私と息子(ナジェール)が此処に住めないで辛い思いをしているのに、あんな立派なドレスを自慢気に着ているなんて、許せないわ!) そう思っていたので、葬儀が終わった時点で使用人棟に放り込んだのだ。

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小説を読もう2024/08/20
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