あらすじ
自宅アパートに帰ってきた男は、おや? と思った。郵便受けの中を確かめたのだが、そこに見慣れない封筒があったのだ。それは宛名も差出人も書かれておらず、普通の形でもない、まるで招待状でも入っていそうな封筒だった。
しかしまあ、ろくなものではないだろう。近所の住人からの苦情の手紙といったところか。
そう思い、男はため息をついた。そして、郵便受けをチェックした時と同様に、金でも入っていないかなと少し期待しつつ封筒を開けた。
「と、おっと……」
まさかだった。中にはお金が入っていた。といっても、硬貨が一枚だけだった。しかし、本当にお金が入っているとは思わず、意表を突かれた男は取り損ねた。硬貨はコロコロと部屋の中へ転がり込み、やがて床に落ちていたゴミにぶつかり、動きを止めた。