あらすじ
井原南(いばらみなみ)高校の文芸部は、主人公である一宮柊(いちのみやしゅう)を含めてサボリ魔の巣窟だった。
三週間に一度しか参加しない美人部長に、恋愛ごとにうつつを抜かすカップル。唯一まともに顔を出している柊ですら文学に興味が無い始末。
無論このままで部活動が成り立つはずもなく、部長である能三芽衣(のうみめい)から来年付で廃部予定である事を聞かされる。
しかし今更他の部に移行できるはずもなく、かといって帰宅部はプライドが許さない。
結果さえ残せば廃部は免除だというので、何とか活動実績を作るべく柊はクラスメートであり作家でもある少女、二階堂未央(にかいどうみお)に部活動へ協力するよう依頼する。
しかしここにも一つ問題が。
なんと未央は柊のストーカー予備軍なのである!
果たして頼っていいものか悩みつつも、背に腹は代えられない。柊の熱烈なアタック(未央調べ)により仮入部への承諾がなされる事となった。
しかし、未央は同時に一つの条件を提示する。
「――三学期が始まるまでに、一宮クンの手で風景画を一枚完成させてほしいんだ」
風景画。それは一宮柊にとって一つのトラウマと言ってもいいような、大きな意味を持つワード。それを何故か未央は知っていた。
過去と向き合うことに抵抗感があったが、しかしこのままでは廃部へ向かうだけ。仕方ないと条件を呑んだことで、柊と未央の二人は同じ部活の仲間として新たな関わりを持つ。
先輩の能美芽衣や、恋人同士である四条津由(しじょうつゆ)、五十嵐康生(いがらしこうせい)も巻き込み、少しずつ部活動としてのカタチを取り戻していく井原南文芸部。
その中で柊と未央の関係は急速に深まっていき、そしてそれはそれぞれが抱えた秘密へと繋がっていく。
柊の抱えたトラウマとは――?
なぜ未央はそのトラウマを知っているのか――?
未央が柊を好きな理由とは――?
全ての秘密が一点に交わる時、凡人と天才の関係はその形を変えてゆく。