あらすじ
人の血を啜る牙に、心を見透かす紅い瞳は月夜を支配する。
そうしたヴァンパイアの伝説が数多く伝わる国、ムーンダリア公国。
貿易商社ハロワイルカンパニーのひとり娘、エルシア・ハロワイルはある夜、社交界を抜け出したところで公爵家の引きこもり公子、カルティオ・ヴァン・ストリフォンに出会い、命を救われる。
カルティオは、伝説に語られるヴァンパイアの血を引いていて――。
「きみ、放っておくと、死にそうだけど」
――「え?」
「きみの血に、溺れたい」
――「それはちょっと、勘弁してもらいたいものだわ」
恋を知らない乙女と、人の血を吸わない主義だという偏食ヴァンパイア。
その出会いをきっかけに、恋愛音痴のふたりの距離は自然と近づいていく。
そんな中、エルシアは商社を巡る事件に巻き込まれ――。
愛と思惑は錯綜し、沈むほどの想いを浴びて、乙女は何を夢見るか?
※『その溺愛、過剰です!?』コンテスト参加の中編小説です。よろしくお願いいたします。