あらすじ
失恋した女性、妙音(ミオ)。ミオは彼氏に突然の別れを責められ、未練が残るままでした。
その日は寝られず、夜、昔彼氏とデートした場所に向かうために、吉祥寺駅を訪れます。南口から真っ直ぐ歩くと、ショッピングモールが見え、右に沿っていくと古着屋さんやお洒落なカフェが並んでいます。その先にある井の頭公園が今回の舞台です。階段を降りると、目を見張る雄大な池があり、豊かな木々に包まれています。湖は鏡写しのようになっていて、揺れる景色は特に風情があります。休日の昼間になると、犬を連れた奥様方や、カップルなどを見参できます。
その中の一組だったミオは、彼氏の面白い話を聴きながら、彼との時間を堪能してしました。何しろ、彼は芸人なのです。残業に疲れ、鬱々としていた気持ちでサイトを調べていたら、有名なライブに知らない芸人がいるとミオは目を光らせました。漫才自体にこれといった特色は無いものの、王道としてはとても面白い漫才でした。グッズを買おうと列に並び、初めて、彼を間近で見ました。スーツが似合っていて、発言の節々には芯が通っている。そんなギャップで彼のことを一気に好きになりました。何回も彼のライブに訪れたある日、買ったグッズに、電話番号が書かれていました。そこで初めてデートに行ったのが、井の頭公園でした。そんなこんなでお付き合いを始めたんだったかなと一人思い返しながら池を見ると、一隻のボートが遠くに移りました。あのスーツ、彼だ。その瞬間、ボートが裏返りました。正面まで来て、裏返ったボートに向かって彼の名前を叫んでも、反応しません。彼が死んじゃう。散歩するだけだと携帯を持っていなかった私は、その辺にいた酔っ払いに話しかけて警察に連絡してもらおうとしました。電話をかけた頃には、ボートすら無くなってしました。
そして私は逮捕されました。