あらすじ
老いた革命家
北川 聖
彼は老いた革命家
若き日に批判した社会に養われている
自分を追い詰めた末に
思想を放棄した
何も考えず何もせず
埃っぽい風に揺らいでいる
幾分気が触れている
革命の悪夢に魘される
激しい心の葛藤は
全てを諦めた末に
優しい狂気に身を沈める
穏やかな虚無に包まれる
武器による反逆は
遥か彼方の遠い夢
適応不能の革命家は
生きるために武装解除する
今日もゆらゆらと
当てもなく彷徨い歩く
武装蜂起 政権転覆と
ぶつぶつと呟きながら
彼のすることは
死ぬことだけ
社会を恐れさせた爆弾は
遂に空砲に帰し
鋼の思想を失った
老いた革命家は
今日も死ぬために生きる