あらすじ
「久しいなミリューユ」
「はい、お父様。お久しぶりでございます。」
王宮の中でも1番広い部屋、国王への謁見を行う広間で、親子にしては堅苦しい会話が続いていた。
「実はお前に縁談が来た。」
「縁談...ですか...」
「あぁ、隣国のスウェルド帝国の第2皇子だ。」
「スウェルド帝国といえば、我がトワン王国と長年敵対関係にあったはずではないのですか。」
スウェルド帝国は世界の流通の中でもトップで、中心と言われ続けていた。しかし50年前、トワン王国が急激な経済発展を遂げ、スウェルド帝国から流通の中心を奪ってしまったのだ。
それ以降は醜い争いが続いている。
「今回はその和解の意として、我が国の第1王女であるミリューユ、お前をスウェルド帝国に送ることになった。」
「わかりました。」
「素直でよい。だが、和解というのはただの建前だ。今から流通の中心を譲るなんてことはせん。そこで、だ。お前はあの帝国に潜り、その醜い能力を使い、スウェルド帝国を荒らしてきてほしいのだ。わかるよな?」
このときにミリューユは全てを理解した。
やはり私には普通の生活は手に入らない。
皆から嫌われ、虐められ、捨てられ、次は利用されるのだ。
だけど、何も感じない。
私は感情なんて、とうの昔に捨ててきたのだから。