あらすじ
26歳の怜花は突如、難病・舟型棺桶性硬化症(BSCS)を発症する。
徐々に全身が謎の甲羅で覆われ、まるで舟型の棺桶状に異形化してしまい、最終的には命を落とす不治の病だという。
全国のBSCS患者とメールでやりとりした結果、とある噂を眼にする。
病気が進行し末期になり、肉体が小舟へと変容したならば、海に解き放ってもらえというだ。
舟は波に乗り、やがてはるか沖合の異界へと運ばれる。そこは苦しみのない楽園のような世界だと信じられていた。
怜花は見舞いに来てくれた兄、達樹に懇願するのだった。余命いくばくもない怜花にはそれにすがるしかなかった。
「私が私でなくなる前に、船出させて」と――。