あらすじ
ヴェンガルデン伯爵家のリシャールは、12歳のジョブ授与式で【紙すき職人】という外れジョブを授かってしまう。
流れるように次期当主の座は同い年の異母弟に奪われ、さらには、荒れ地過ぎて放置されていた辺境の領主に任命される。
リシャールは絶望のどん底に落ちるも追放のショックで、紙すき職人として人間国宝を目指していた前世の記憶も思い出した。
同時に、彼は思う。
――ファンタジーな素材と大好きな和紙が組み合わさったら、どんな和紙になるんだろう……と。
志半ばで死んだ前世。
今世では全力で最高の和紙を作りたい。
リシャールは慕ってくれるギャルメイド(お姉さん)とともに、むしろ前向きに辺境に向かう。
たどり着いた辺境は売れるような特産品が何もなく、土地で採れる素材も値打ちのつかないクズ素材ばかり。
領民も自分たちの人生に諦めており、暗い雰囲気が漂う。
ところが、そんなクズ素材もリシャールにとっては宝の山だった。
「この木の実を混ぜたらどうなるんだろう」
「炎属性の魔物の皮を混ぜたら炎に強くなるかも」
「光る和紙とか面白いな」
まだまだ和紙を極めたくてしょうがないリシャールは、ここぞとばかりに辺境ですごい和紙を作りまくる。
――軽く1000年もつ、濡れても破れない、地獄の業火でも燃えない、軽くて保温性抜群で北の大地で戦う王国騎士団の防寒具にぴったり、この紙で作った魔法札は効力が十倍に跳ね上がる……。
ファンタジーな素材と日本文化がかけ合わさった【和紙】は、まさしくチート級の神(紙)アイテム。
紙作りという一芸を試行錯誤で極めるリシャールを見て、領民も徐々に元気を取り戻し、領地は大発展を遂げていく。
やがて、リシャールの作る和紙は異世界の紙に対する概念そのものを覆し、【神の紙】と呼ばれるようになる。
これは和紙が大好きな男が異世界で繰り広げる、紙(神?)物語!