あらすじ
高校生の桐沢星花は、あることをきっかけに数ヶ月前から自分が突然命を落としてしまうのではないかと常に不安に駆られていた。自分には人生があと一回しか残されていないから死ぬわけにいかない、と。
ある平日の学校にて。友達と会話をしていると殺人事件のニュースの話題になり気分が悪くなった星花は、心身を落ち着かせようと三階の渡り廊下へ足を運ぶと、そこには既に一人の先客がいた。
クラスメイトの依田光士朗。
素行不良のイメージが強い光士朗は星花に絡んできて、それからこんなことを言ってきた。
「どうせ俺はロクな人生を送れないんだし、お前からも憂鬱が伝わってくるし、しばらくの間、謎解きゲームでもしながら現実逃避しに行こうぜ?」
「謎解きゲームって何? 現実逃避しに行くってどこへ? 依田君が何をしたいのか全然分からない」
「謎を解いて、俺の自殺を止めてみな?」
彼が冗談めかして口にしたそれは、いつ死ぬか分からない恐怖に怯えている星花にとって不愉快極まりない発言だった。
「命が懸かったハラハラゲーム、面白いだろ?」
「このぉ…………クズ!」
生死に人一倍敏感になってしまった星花と、不謹慎ながらも生死を遊び感覚で扱う光士朗。
これは、そんな二人による、現実逃避とお互いが秘めた真実に向き合う青春物語。