あらすじ

「来てくれてありがとう。握手してもらえるかな?」N君はパンの詰まった紙袋を左手に持ち替え、そっと右手を出した。「ごめん、ごめんね」お母さんは、声を小さく震わせ、N君の掌を両手で包んだ。とても華奢な手だった。その手を涙が濡らした。N君は、どうしていいかわからなかった。1981年、大学のキャンパスで出会った三人。永遠だった筈の友情は、雪乃の唐突な失踪により崩れてしまう。それから三十余年が経ち、彼女から届いた一通の手紙。そこに書かれていたこととは……。封印されていたあの頃が蘇り、托された想いを道標に、初老を迎えた「若者たち」が再会へと動き出す。切ないほどに純粋な約束が三人の心を繋ぎ、其々の人生を温かく包む感動作。

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Ebook Japan
Ebook Japan2024/06/07
  • 現在の作品N君、雪乃さん、そして