あらすじ
私の『普通』は、どうやら“みんな”の言う『普通』とは違うらしい……。
奏はその事を、幼い身で悟った。
その日から数年後。
文を見ると、色を感じる。
人の感情を、色で感じ取る事ができる。
人の感じた痛みを、無関係の自分も感じてしまう。
そんな、いわゆる「共感覚」と言われる能力を持つ奏は、その事が原因で学校に通えなくなっていた。
学校も、家も居心地が悪いと感じた奏は、小学三年生になった春のある日、母に言われて不登校の小中学生が集まるフリースクールに行ってみる事になった。
フリースクールへの登校初日に、感情や文から様々な色を見過ぎて体調を崩した奏を助けてくれたのは、同じ様に「共感覚」を持った、三人のフリースクールの学生たちだった。
共感覚のことを個性として受け入れてくれる三人とフリースクールで過ごしていく内に、幼い頃に見ていた世界を思い出し、三人と過ごした今なら小学校に通えるかもしれないと考えるようになった。
これは、“みんな”が『普通』と言う世界とは違う世界を感じている奏達が、自分達の『普通』の可能性を追い求める物語。