あらすじ
「よろしいのですか? 声をかけなくて」
「ああ、良いんだよ。もう彼に任せたから。………心配をかけて、済まないね」
城の外れにある離宮から、聞きなれた艷声が聞こえてくる。
「やあっ、もっと強く。好き、好きよぉ。ああぁんっ」
「可愛いよ、ナナリー、んあぁ」
そには国母たるナナリーが、国王そっくりな男と絡み合い愛を囁いている姿があった。
国王ライオネスは悲しげな微笑みを、共にいた側妃ブルーネに向け城を後にした。
「もう行こうか、ブルーネ」
「はい。ライオネス様」
この国スキエーヒは、少し前に国内で混乱状態にあった。
真実と思っていたことが、嘘に変わったのが昔のことのように思えた。
◇◇◇
賢王と呼ばれたライオネスには、王命で結ばれた王妃ナナリー(元侯爵令嬢)がいる。
ピンクブロンドの真珠のような艶の髪と、透き通る肌を持つ可愛らしい女性だ。うるうるの瞳は新緑の鮮やかさがある。
だが3年経ても子が出来ず、ブルーネ(元伯爵令嬢)が側妃として入宮することになった。