あらすじ
――そのシアワセの刻限、一年也。
由緒正しき名家・紫園家。
紫園家は、栄えると同時に、呪われた血筋だと囁かれていた。
そんな紫園家に、ある日、かさねという名の少女が足を踏み入れる。
『蝶憑き』と不気味がる村人からは忌み嫌われ、父親は酒代と引き換えにかさねを当主の妾として売った。
覚悟を決めたかさねを待っていたのは、夢のような幸せな暮らし。
妾でありながら、屋敷の中で何よりも大事にされ優先される『胡蝶様』と呼ばれ暮らす事になるかさね。
溺れる程の幸せ。
しかし、かさねはそれが与えられた一年間の「猶予」であることを知っていた。
かさねにだけは不思議な慈しみを見せる冷徹な当主・鷹臣と、かさねを『形代』と呼び愛しむ正妻・燁子。
そして、『花嫁』を待っているという不思議な人ならざる青年・斎。
愛し愛され、望み望まれ。四葩に囲まれた屋敷にて、繰り広げられる或る愛憎劇――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。