あらすじ
一万円を父親から渡された。そして父親に言われた言葉……
「毎朝5時に玄関先で一万円札をやるから、お前はそれまで家に帰って来るな」
俺、多田 正人(ただ まさと)が高校1年生になった時、父親から言われた言葉だ。俺は困惑しつつも、その生活を訳あって受け入れることにした。それが1番楽な方法だったからだ。
それから1年、俺は父親に一万円札を貰いながら、繁華街にある安いホテルで暮らしている。
ホテル暮らしは快適で、家に居るよりとても落ち着けた。
しかし、その暮らしに慣れかけたある日、俺は急に眠れなくなってしまった。胸はモヤモヤとして落ち着かない。
気晴らしに夜の繁華街を歩くと、何故か安心する自分。
そして俺は、深夜の繁華街で"夜"と出会った。
「正人くん、君の探していたものきっと見つかるよ」
夜に誘われるまま、俺たちは体を合わせる。この行為がひどく安心できた。
なぜ、俺は安心できたのだろうか?
夜に甘える毎日。俺には夜しか居なかった。
「ねぇ、多田くん。私、多田くんのことが好きなの」
そんな矢先に、クラスメイトの"真昼"から告白され、さらに俺の運命の歯車は歪に狂っていく。
「正人くん好きだよ」
「多田くん私を選んで」
俺はどっちを選べば良いのだろうか?