あらすじ
その女は勇者だった。
生まれ落ちたその瞬間からずっと。
人間らしさなど不要と断じられて生きてきた彼女の前に、ある時一人の男が現れる。
それは己の対になる存在であり、打ち倒さなければならない邪悪の象徴、魔王。勇者一行に紛れた魔王と時を共に過ごし、やがて決別を迎え……魔王城に辿り着いた女は魔王を討った。
けれども、女の胸にはただ虚しさが残るばかり。
だから世界を救った褒美に願った。
時を戻し、再び魔王と向かい合いたい──。
そうして何度も繰り返すうちに女は気づく。
魔王の手を取っても取らなくても、自分たちは決して結ばれないのだと。