あらすじ
《ケモノ》と呼ばれる、人食いの怪物が跋扈する時代。
対抗手段は作られた存在である《巫女》と《槍持ち》だけだった。高価な巫女は感情を与えられず、護衛役の槍持ちは使い捨てのように命を落としていく。
それが当たり前の世界。
槍持ちの少年《ユウスケ》は、そんな世界で必死に生きていた。
ある時、ユウスケの配属されていた装甲列車がトラブルで停車してしまう。その隙に大量のケモノに襲われ、ユウスケ以外の槍持ちや巫女のほとんどが食い尽くされてしまった。
辛うじて生き残ったユウスケは、逃げ込んだ貨物室で巫女の少女「リホ」と出会う。
だが
「うん。結局は私も巫女だから。祈りを保存するのに適していたってだけだよ。なんなら、不良品」
彼女は、そんな自虐めいた言葉を告げた。
貨物室にはもうひとつ、金属で作られた巨人が鎮座していた。
《機人》
その2メートルを超える威容の名称だ。
それは、二人をこの絶望の状況から救う切り札だった。
これまで動くことのなかった機人は、ユウスケを操縦者として受け入れる。
そしてユウスケは、リホを救うため、機人を駆りケモノの集団を蹂躙した。
「優しくって私を助けてくれるから、あなたは優助」
彼女からもらったその名が、少年の心に火を灯す。
これは、使い捨ての少年であったユウスケが、不良品の少女と金属の巨人と出会うことで、未来を変える物語。
作者:日諸 畔(ひもろ ほとり)