あらすじ
「私達に足りないものは何だと思う?」廃れかけの地方都市に住む女子高生、紫乃幡は友人達に面白い話を持ち掛けた。曰く、私達にはマクガフィンが足りない。主目標となる存在。登場人物の動機となる事象が無い。高二の秋だというにも関わらずだ。
同様の退屈を抱えていた二人の友人は彼女の面白い話に飛び付いた。「隣のクラスの不良達が先輩の不良と揉めているのだそうだ。それを少しばかし引っ掻き回してやろうじゃないか」
だが、コトはそう上手く運ばない。彼等が揉める原因には、世にも胡乱な都市伝説じみた秘密結社の姿があったのである。
くだらない好奇心と射倖心、咽ぶ程の金の匂いは周囲の碌でなし達を巻き込み、事態はやがて地獄の様相を呈していく。
無理難題を抱えた女子高生記者、悪辣な三文ゴシップ雑誌、仮面を被った暴徒の群れ、薬物の売人、終末論に侵されたカルト集団、過去の病院襲撃事件とその病院の院長の息子、数え出すとキリがない。
何にせよ、言えるコトは一つだ。この事件に関わった誰しもが同じ様に答えるだろう。
「ひょっとすると、最初から何もせず大人しくしていればよかったんじゃないか?」