あらすじ
「──事故や人死になど、なんらかの心理的瑕疵のある物件は、物件説明の義務が生じます。それがどんなに伝えずらい内容であっても、必ず告知事項として重要事項説明書に記載しなければなりません」
事故・特殊物件を専門に斡旋する不動産屋、散骨院シズマ。
彼は事故物件を訪れ、そこにいる霊たちを成仏に導くことを生業としていた。
「しかし、事件があった後、その物件に誰かが入居し、一定期間住んだ後、退去したとします。その場合、その次に住む入居者には、告知義務が発生しないのです」
霊感体質のせいで就職難民に陥っていた幸村梓は、ひょんなことから散骨院に出会い、彼の営む不動産会社に就職することを勧められる。
「君にやってもらいたい仕事は、その『告知義務のある入居者』になってもらうこと──つまり、事故や事件があった直後の物件に、一定期間住んでもらうことです」
『うわさ』程度には聞いたことがあった。
そういったヤバい仕事があるということを。
が、それよりも気になるところがあった。
「それでは早速、中へどうぞ……クク」
死体のように真っ白な顔。十徹したかのような濃い隈。
それでいて目元だけは異様にギラギラとしていて、口元にはニヤニヤとした薄ら笑いが張り付いている──。
散骨院シズマの、怪しすぎるヴィジュだ。
(この人、オバケよりオバケなんだけどっ!!)
就職面接で失敗し続けた女子大生と、失敗しかしない不動産屋の、ハートウォーミングホラーコメディ!!