あらすじ
「教師と生徒は恋しちゃだめなこと、成瀬さん知らなかった?」
もう忘れたいのにバイト先のバーでお客様から言われた一言をきっかけに高校時代の片想いを思い出した侑は、柄にもなく昔話としてそのお客様に酷い片想いの話を始めた。
高校三年生の春、生徒会副会長を務める侑の学校に新任の教師が四人やってきた。
その中の一人、音楽教師としてやってきた椿 美彩の綺麗な声をきっかけに段々と美彩を意識しだす侑。
音楽学科ピアノ専攻に通う侑は、授業はもちろんそれ以外にも放課後のレッスンで美彩と接する機会が多く、美彩の声に、瞳に、優しさに、あたたかさに惹かれていくことに戸惑い始める。
厳しい父親の影響で幼い頃からピアノのコンテストで一番になる為だけに生活してきた侑は、恋愛は愚か、今までちゃんと人を好きになったことがなく美彩に対する自分の気持ちに戸惑い困惑する…。
そして、美彩も侑の奏でるピアノの虜になりつつ侑のピアノに対する思いから救ってあげたいと侑を気に掛けるようになり、次第に二人の距離は近づき想いが一つに……。
初めてピアノ以外に、ピアノ以上に大切なものができた侑はずっと美彩といることを選ぶが、ある日、美彩が侑に放った言葉で二人が一緒に過ごすことは無くなってしまった。
「教師と生徒は恋しちゃだめなこと、成瀬さん知らなかった?」
信じていた人に裏切られ全てを諦め、美彩を拒絶した侑はそのまま高校を卒業してしまう。そんな酷い片想いの話をした日から数日経ったある日、バーのカウンターで酔い潰れる一人の女性。
それは、侑を探してバーにやって来た美彩だった。お見合い結婚の前にどうしてもまた侑に会いたかったと言う美彩……。
過去の事を許せないでいる侑に美彩があの時の【真実】を伝えた時、夢も期待も恋も諦めた二人の想いが、また動き出す。