あらすじ
これは、閉ざされた村に住む十三歳の少女、ミナミガワイリカと、同じく十三歳の少年ハイザワナオヤの物語です。
村には多くの男性と、その一割にも満たない数の女性が住んでいます。
村の風習で、子どもを産み育てる大きな家、ヤシキを継ぐのは女性で、産まれた女の子は母親の姓を、男の子は父親の姓を名乗ります。
男の子は十歳でヤシキを出て暮らさなくてはなりません。
十歳を過ぎた男の子は父親と暮らすようになりますが、父親に拒否された子はミツカイという村のために働く者として、ヒノメ神を祀るおやしろで暮らす事になります。
極端な男性余りの状況から、村では毎年女性が好きな男性をその年の夫として選ぶ風習があります。
それは祭の形で『春の宴』と呼ばれます。
村では成人年齢が十五歳で、その歳から配偶者を得ることができます。
イリカの友人、アミが十五で初めて春の宴に参加します。
しかし、神託により阻まれ好きな人ではなく粗暴な中年の男と夫婦になるよう決められてしまいます。
絶望したアミを見て、イリカとナオヤは村から出て穢れ地と呼ばれる禁断の地に身を隠す事を提案します。
アミは提案に乗り、三人で穢れ地へ向かいます。
果たして三人は、無事に穢れ地へ行くことができるのか。
そして、閉ざされた村の秘密とは――