あらすじ
このまま幸せになれる。
ーーそう思っていたのに、私の期待は裏切られてしまった。
以前ことごとく浮気をされ、その上婚約破棄までされた元婚約者が提案したのは、私たちの間に入って話し合いの場を作ることだと言い、さらには他の人たちが見守る中で話し合いをすること。
私はその意見に反対だったけれど、彼に言われてしまうと頷くことしかできなかった。
そして私と彼とは喧嘩別れになったまま婚約破棄の話し合いの場が持たれてしまったのだ。
もちろん私も彼もお互いに譲らず意見をぶつけ合った。
彼が私に婚約破棄を取り消してほしいと訴えたり、私が彼に向かって意見を言ったりもしてお互い一歩も譲らなかった。
そんな状態でも彼はずっと優しい笑みを浮かべて私たちを見守ってくれていたし、話し合いの場にもずっと居続けた。
しかし彼には私の気持ちが何一つ通じていなかった。
「ふざけないで!私の事を愛しているのなら今すぐ婚約を取り消してください!」
「君こそふざけるのはいい加減にしろ、俺は絶対に婚約破棄なんて認めないからな!!」
私たちはお互いに怒りに任せて言葉を荒らげる。
そんな話し合いは平行線で続いていくだけだった。
何度も何度も意見を言い合ったが一向に収まる気配はないし、それどころかどんどんヒートアップしていく一方だった。
そんな私たちを見て仲介者であるトラティス王太子殿下は諦めたような表情を浮かべ、そして口を開いた。