あらすじ
かつて剣術の大家だった父の名誉回復をかけて、江湖の剣客に勝負を挑んでいる青年・律九珠。
ある日、竹林の隠者・簫無唱との戦いで九珠はあっさり敗れてしまう。ところが簫無唱は九珠を弟子にすると言い、最強の剣術と新たな「剣の道」を伝授して再び江湖に送り出す。
一方、江湖では、九珠に伝説の剣客「李玉霞」の面影を見出した者たちが動き始めていた。様々な人々と交流するうちに、九珠はかつて繁栄を極め、内乱で滅亡した名門鏢局の真相を知ることとなる。
謎、名誉、伝説、凋落。
野心と陰謀が渦巻く江湖で、最後に九珠が見出した道とは——
【おもな登場人物】
・律九珠(りつ きゅうじゅ)
青年剣客。かつての誇りを取り戻すという父親の悲願のために江湖を渡り歩き、強者たちに勝負を挑んでいたが、簫無唱との出会いで変わり始める。
・簫無唱(しょう むしょう)
竹林の中の寂寧庵を守る女の隠者。圧倒的な実力を持ち、九珠の新たな道標となる。
・律峰戒(りつ ほうかい)
九珠の父。かつて江湖でその名を轟かせたが、大一番に敗れたことで落ちぶれ、その恨みを晴らすべく九人の息子たちに家伝の「律白剣譜」を仕込んでは名だたる剣客と戦わせている。
・飛雕(ひちょう)
大英雄になりたい弓使いの少年。九珠を兄と慕い、行動を共にする。
・常秋水(じょう しゅうすい)
江湖最強の剣客。律峰戒と同世代で、彼とは覇を競い合った好敵手同士。
・鄧令伯(とう れいはく)
商業都市・蘇口に拠点を置く大富豪。武術好きという一面を持ち、江湖の英雄たちとも交流がある。
・李玉霞(り ぎょくか)
かつて江湖の頂点に君臨した女剣客。その後鏢局を営む名門一族・公孫家の次男に嫁いだが、一族の滅亡とともに姿を消した。
※カクヨムからの転載です。カクヨムにて公開中の同名の短編を長編として加筆修正したものになります。