あらすじ
真木和也(まき かずや)は登山鉄道の中で、初恋の人・東条維麻(とうじょう いま)と偶然の再会を果たす。
しかし、彼女は致死性の高い謎の病に侵されていた。
激情進行性脳機能不全症候群。
つよい感情の昂ぶりにより進行する難病。治療法はなく、できることは「感情を昂ぶらせずに生活すること」だけ。
この残酷な病気の平均余命は五年。
五年前に突然、和也の前から姿を消した維麻は、その五年目を生きていた。
「──やっぱり死ぬなら、夏がいいよ」
心から笑うことも思い切り泣くこともなくなってしまった維麻は、和也に自分が死ぬまでに「一生忘れない素敵」を探すように迫る。なかなか見つからない「素敵」を探しながら、心を通わせる和也と維麻にタイムリミットが迫る。
そんな中、100年に1度しか観測できない周期彗星が地球に迫ってきていた。
徐々に弱ってきた維麻とともに、和也は天体観測をすることを約束した。
夜空を見上げる二人の目には、満天の星空が広がる。
──だから、僕は探し続ける。
あの夜、君と共に確かに見つけた「素敵な奇跡」を。